ろじー's バイオロジー

自然科学の分野における研究や論文を元に生き物・登山好きな筆者の知見を加えてあなたの知的好奇心をくすぐるブログ

金を生成するかもしれない微生物が発見された件について

 

オーストラリアから衝撃の発表がされました。

 

金を生成する可能性のある微生物が存在する

 

というのです。

 

凄すぎません?金ですよ、金。

 

以前に磁石を生成する微生物を紹介したので

そちらも是非見ていってください。(_ _ )

https://biology641.hatenablog.com/entry/2018/10/09/145403

 

研究チームによると、この微生物による

金の生成は10年以上前から研究されていて、

その結果、3.5〜11.7年で起こることが

分かったそうです。

 

つくづく生き物達には驚かされますね。

 

 

有史以来、人間が掘り出した金は

25mプール2つ分と言われています。

そしてまだ掘り出されていない金は

全体の3分の1しか存在しないと言われています。

もう3分の2は掘り出されてしまったんですね...

資源は有限ですから価値は高くなっていきます。

 

しかしこの微生物の金を作り出す反応サイクルが

解明されるとなるとこの言説は覆されることに

なるかもしれません。とんでもないですね...

 

そして電子機器のリサイクル、鉱山の再利用、

新しい金の採掘地の探索などといったことが

可能になるかもしれません。

これからの応用生物学の発展が期待されますね。

 

「溺れる」「夏眠する」魚っぽくない魚・ハイギョ

どうもー、ろじーです。

今回は約4億年前に出現して現在では世界に6種類しかいない、「生きた化石」と呼ばれる『ハイギョ』の不思議な生態を紹介していきたいと思います。

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ハイギョは漢字で「肺魚」と書くとおり、肺呼吸が中心の魚です。そのため数時間おきに呼吸をしに水面に浮上しなければなりません。その際にハシビロコウやサンショクウミワシといった大型の鳥に狙われることもあるんだとか...。そして息継ぎに失敗すれば溺れてしまうのです。魚と言えばエラ呼吸が基本なので珍しいと言えば珍しいですが、欠点の方が大きいかもしれませんね。

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このハイギョ、変わっているのは呼吸法だけではありません。なんと「夏眠」をするんです!言わば冬眠の逆ですね。ハイギョの住む地域に乾期が訪れると、水底の泥を掘って潜ります。そして自分の粘液と泥で作った膜を張って繭のような状態になり、乾期が過ぎるまでじっとしているのです。長いときは半年間、夏眠の状態でいるそうです。

 

4億年生き延びてきた知恵は他の魚類とは一味違いますね。いつかハシビロコウとセットでお目にかかりたいものです。

ウデフリツノザヤウミウシ(別名:ピカチュウウミウシ)の生態

 

今日紹介するのは別名『ピカチュウウミウシ』と呼ばれる生き物です。テレビでちょっと話題になったので知ってる人もいるかもしれません。この生き物をきっかけにダイビングを始めた人も多いようですね。

 

正式な和名は『ウデフリツノザヤウミウシ』で、フジタウミウシ科のウミウシです。全身を左右にゆらゆらさせながら進む様子が、名前の通り腕を降っているようでとても可愛いです!

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体は黄色で、触覚と尻尾、それに鰓突起と呼ばれる背中の2つの突起の先端が青色から黒色へと変化します(画像では白っぽく見えてますが...笑)。するとピカチュウそっくり見えるという訳です。画像の個体だとライチュウにも見えますね。

 

では、誰から質問があった訳でもないウデフリツノザヤウミウシの生態Q&Aのコーナーいきましょうか!(唐突)

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Q.どこに住んでるの?

A.日本には関東より南、世界だとインド洋、西太平洋、メキシコ湾に分布していて、水深10〜30mの岩礁や砂底に住んでいます。

 

Q.何を食べるの?

A.藻を食べます。

 

Q.雌雄を区別する方法は?

A.雌雄同体です。雄や雌といった概念がありません。

 

Q.どうやって繁殖するの?

A.基本的に2個体いれば卵を産みます。3個体で同時に交接器を寄せている映像を見かけましたが、3個体以上でも同時に交接できるんでしょうか?因みに交接器はひらひらしていて上半身の右側にあります。卵も不思議な形をしていて上手く説明出来ないのですが、黄色いリボンのヒモを螺旋状(グルグル巻き)にした感じです。

 

人工的な餌を食べるウミウシは皆無に等しいそうで飼育が難しく、どこの水族館にもいないようです。海の中でしか逢えない珍しさがまた魅力的ですね。

体内で磁石を合成する生物

 

どうも、ろじーですm(_ _)m

今日はタイトルの通り体内で磁石を作り出すという

驚きの生き物を紹介したいと思います。

 

幾つかの種類に分かれているみたいですが、

まとめて『磁性細菌』と呼ばれています。

細菌ですからとっても小さくて、

その長さは約0.002mm。

光学顕微鏡を使わないと見えないサイズなのに

磁石を生成できるのですから不思議ですね。

 

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下手で申し訳ないのですが、大体こんな感じです。

両端の糸のようなものは鞭毛と呼ばれていて、

これを使って移動します。

そして体内の粒々が磁石の働きを担っています。

 

さて、

磁性細菌はどのように磁石を作っているのでしょうか。

仕組みを簡単に説明すると、

 

•鉄イオンを体内に取り込む

マグネタイト(鉱物の結晶)を作る

•体内でマグネタイトが直鎖状に並べられる

 

このようにして作られたものをマグネトソームと言い、棒磁石のような働きをします。

 

では、この生き物にとって磁石はどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

 

磁性細菌は呼吸のために酸素を必要としますが、

酸素の多い環境は好みません。従って酸素濃度の

低い水底が磁性細菌にとって最適な環境になります。

そして磁性細菌は、作り出した磁石で地球が発する

磁力を感知して地球の中心の方向へと移動します。

つまり磁石の性質が磁性細菌の好む環境を探すのに

奇跡的に最適だったのです。

 

この性質の通り、磁性細菌は北半球では南に、

南半球では北に向かう傾向があります。

 

しかもこの細菌、数億年前の化石としても

発見されていて、大昔から存在していることが

確認されています。

 

ミクロとて侮れない、摩訶不思議な世界ですね。

 

不老不死の生物『ベニクラゲ』

 

不老不死...人類とっての夢でありロマンですよね。

もしそんなことが出来たなら...

人々はそんな夢を抱いて、神や鳳凰といった畏敬の

対象に不老不死を絶対的な力の象徴として持たせまし

た。不老不死...僕は嫌ですけどねー。

 

さて、地上で最高齢とされている生物は

カロリナポプラという樹木でこの根系が

8万年生きていると推定されているそうです。

文明の歴史では到底及ばない気の遠くなりそうな

数字ですよね...。

 

でもこのカロリナポプラですら地球上の最高齢の

生物には敵いません。

 

では現在地球上で最も高齢な生物は何で何歳なのか?

 

答えはこちら、クラゲです。

 

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細かく言うとベニクラゲですね。

 

 

年齢は推定5億歳です。

 

 

.....。

えーっとですね...変換ミスではないです...。

 

意味分からないですよね。

 

このクラゲは生殖の度にポリプという未成熟の状態に

戻り成長して再び生殖するということを繰り返している

ようです。言わば、若返りの永久ループですね。

 

この仕組みを解き明かして応用することが出来れば

本当に不老不死が叶ってしまうかもしれませんね...。

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クラゲには脳がないですから感情も無いのでしょう

けど、生まれ変わってもベニクラゲになりたいとは

思えないです(。。)

※個人の感想です(笑)

 

全てのオスがメスになる?レッドサイドガーターヘビの性転換の秘密

なんか「ダーウィンが来た!」みたいな

タイトルになっちゃいましたね...笑

レッドサイドガーターヘビという蛇の生態が

凄く面白いので紹介したいと思います!

 

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こちらがレッドサイドガーターヘビです。

画像粗くて申し訳ないです...…

フリー素材にはこの写真しかなくて、

カナダまで飛ぶ訳にも行かないので(。。)

 

めっちゃかっこいいんですよね。

生息地のカナダでは冬眠から目覚めると何千、何万という数のレッドサイドガーターヘビが繁殖のために地面を多い尽くすんだとか。

そのおかげで学者さんは調査し放題だったそうです。

 

その調査がなんだったのかって言うと、

このヘビの雄は全てがシーメイルという性転換したような状態になります。ですが、みんな雄になったら繁殖して子孫を残すことはできなくなりますよね?じゃあ、なんでシーメイルみたいなことするの?っていうのを調べたんですね。

 

結果、何が目的だったかと言うと、

"体温を上げてより素早く動けるようにするため"だったんです。

 

.....は?

 

って思いますよね。ちゃんと解説します(´・ω・`)/

 

ヘビはタカなどの天敵から逃げるためにエネルギーを使います。それに伴って熱が逃げていきます。そうすると体温が下がって素早い動きが出来なくなっちゃうんですよね。そのために熱を得る必要があります。

そんでもってこのヘビがどんな方法を取ったかというと、

性転換して異性を惹き付けるフェロモンを出します。そして、騙されて寄ってきたオスが生殖のために絡みついてきます。この時にその雄の体温や摩擦から熱を得られるんだそうです。

 

相手から熱を奪うことをクレプトサーミー(盗熱)と言います。

凄いメカニズムですよね。

ヘビは視界がサーモグラフィーのように視えると言いますから温度に関する部分が発達しているんでしょうか。

とにかく可愛い...人気のエナガの生態とは![鳥類学/ornithology]

最近Twitterでシマエナガという真っ白な可愛いらしい小鳥が人気ですよね。真っ白なのは冬限定なのですが、夏バージョンも可愛いです。

 

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シマエナガ(冬バージョン)

正直めっちゃ可愛いと思います|ω`)

 

 

でもあの鳥は北海道にしか住んでいない...

本州以南の人はお目にかかるのも大変...

 

...と思っているそこのあなた!

(思ってなくてもいいんですけど)

 

夏バージョンのシマエナガにそっくりな鳥に

近くの公園で逢うことができるんですよ。

 

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こちらの小鳥さんですね。エナガという鳥です。

 

シマエナガは本来、エナガという九州以北に

住む一般的な種の亜種とされています。

 

そしてエナガは一年中、公園や低山の林で

見ることができます。しかも群れです。

1匹見つけたら周りに沢山いるはずです。

枝の上でおしくらまんじゅうしてる様子は

とても愛らしいですよ。

 

エナガは混群と言ってシジュウカラ科の鳥や

コゲラというキツツキ、メジロといった

鳥たちと群れを成します。

混群にでくわしたときは「チー」という鳴き声と

身体と同じくらい長い尾で判断しましょう。

 

 

そしてエナガにはとても面白い子育ての習性があります。

 

冬に群れの中で異性の相手を見つけます。

そこででつがい(カップル)になれなかった

オスがでてきてしまいます。

そうするとそのオスは別のカップルの所に

行って子育てを手伝うそうです。

種としての生存戦略かなと思ったんですけど、

 

なんと

シジュウカラの巣に手伝いに通った」

という例もあるそうです。

 

えぇ...お人好しすぎませんか...?

不思議ですけどこれも魅力の一つですね。

 

是非近くの公園で探してみてください!

あ、あとエナガの巣もコケで作られた

ドーム状で凄く可愛いです!